1.4年ぶりのキーシン!
2018年11月2日(金)19時開演
場所:横浜みなとみらいホール
先週の金曜日、私にとって神の様なお方、エフゲニー・キーシン様のリサイタルに行って参りました
2014年の大阪公演以来、4年ぶりだったので、本当に本当に楽しみにしていました
キーシンに会える
ただそれだけでも、関東に戻って来られて良かったです
遅刻してはいけないと思い早めに行ったら、4時半に着いてしまいました
客席の入り口には、曲目変更のお知らせが張り出されていました
お知らせを見て、お怒り気味の方もいましたが、私は曲目云々と言うよりも、キーシン自体が大好きだから、ハンマークラヴィーアで無くても大丈夫
シューマンのピアノソナタ第3番…勉強不足でどんな曲だか事前に聴いて来られなかったのですが、キーシン様の事だから絶対に何か、凄い事をやらかしてくれるはず
2.あり得ない事態が発生!!
そして、いよいよコンサートの始まりです
開演直後、キーシン様がピアノを弾き始めたら、あり得ない事態が発生
いきなり、携帯のアラームの様な音が鳴ったかと思うと、その後には口笛の様な音まで聴こえてきて、観客の極々一部のマナーの悪さにびっくりしました
みなとみらいホールにふさわしくない方は、そもそも来ないでほしいです
前回(2014年4月13日)大阪のザ・シンフォニーホールの時は、もっと変なおじさんがいて、プログラムの前半を演奏中、おじさんの怒鳴り声が凄くて騒然となってしまったのですが、こういう方たちは正直言って日本の恥です
マナーを守れない人は、もう絶対に、みなとみらいホールにも、サントリーホールにもどこにも来ないでください
お願いします
楽しくない事を書いてしまって申し訳なかったのですが、キーシンはすごい集中力で変な人たちを微塵も気にせず、ショパン 夜想曲 第15番を、繊細に爽やかに弾いてくれました
休憩中の様子
3. 作曲家よりも、作曲家の意図を汲み取った演奏。
一曲毎の、感想は割愛させていただきますが、この日のキーシンの演奏は、相反する言葉ですが、以前にも増して重厚感や軽やかさが増し、フォルティッシモとピアニッシモの音がとりわけ輝いて聴こえました✨
キーシンは元々、子どもの頃から成熟していたのですが、更に円熟味が増して凄みが加わり、この20年間の生で聴いた中で一番素晴らしい演奏を聴かせてくれて、感激が止まりませんでした
ラフマニノフ プレイズ ラフマニノフ(ラフマニノフ自身がラフマニノフの曲を演奏しているヤマハのグランドピアノの自動演奏用フロッピー)の演奏よりも、ラフマニノフの前奏曲を作曲家の意図を楽譜から読み取り、演奏していたと感じました
いろいろなピアニストが演奏する、ラフマニノフの前奏曲を聴いてきましたが、ここまでの領域に達した人はキーシンだけだと思いました
そして、終わらないスタンディングオベーションの嵐に、アンコールで弾いてくれたトロイメライ、キーシン作曲のドデカフォニック・タンゴ、英雄ポロネーズ
※ドデカフォニックとは、でかいとは関係なくて、 ググったところ、シェーンベルクが提唱した十二音技法の事らしいです
シェーンベルクの退屈な曲の数々よりも、キーシンの作曲の方がジャズっぽくもあり、無調&12音音階でもあり、うまく説明できないけど、もっとずっと聞きたいと思ったくらい、とてもいい曲でした
そして、最後の最後に英雄とは…ずるいよ
超〜疲れてたと思うけど、3曲とも全身全霊で弾いてくれて、何かが乗り移った様な、とてつもない演奏でした😭
最後は我を忘れて、飛び跳ねる様にスタンディングオベーションに加わりました
会場に居た人ほぼ全員が、興奮して感激が止まらなくて、もう夜の10時なのに、ほとんど誰も帰りたがらない熱狂的な雰囲気が続き、そのままキーシンも観客も楽屋に雪崩れ込む様に移動しサイン会に突入しました
4.余談ですが、お得です(*_*;
余談ですが、今回は、横浜みなとみらいホール ミライストクラブ に入会させていただいたお陰で、キーシン様のお顔と手が良く見える、凄く良い席が破格の13000円で入手出来ました
※一般料金は1階正面席: 18,000円 です。
キーシンがロボットみたいなお辞儀をしている時に、何度も目が合ったと感じたくらい近い席でした
今年は横浜みなとみらいホール開館20周年記念で、年会費3000円のみで入会できました👌
これからも、特典を活用していきたいと思います
夜10時過ぎのみなとみらいの夜景
もう、こうなったら、どんなに夜遅くなっても、キーシン様のサインをいただいてから帰ろうと決めました
٩( 'ω' )و
サイン会の行列
ここは、限りなくみなとみらいホールの駅からの入り口に近い場所です
ここから楽屋口までは、とんでもなく遠かったです
サインをもらう為の列の長さは、ウラディーミル・アシュケナージにサインをもらった時の列を超えてました((((;゚Д゚)))))))
幕間に購入した、キーシンの自伝
カラヤンは言った。「彼は天才だ」の帯に惹かれて購入しました
カラヤン程の才能の持ち主が、天才だと言ったキーシンってどれほど凄いのかと…思ってしまいました
キーシンは、私が買った自伝にサインしてくれている間、ずっとニコニコしながら、私に話し掛けてくれていたのですが、何て言っていたのか全く聞き取れず、残念過ぎて泣きそうでした
次回、キーシンと少しでも会話したいので、英語勉強します
キーシン、私の今までの人生の中で、最高の演奏を聴かせてくれて、本当にありがとう
そして、お疲れのところ、サイン会ではとっても紳士的な対応をしてくれて、どうもありがとう
私は、あなたのお陰で、この4年間のプライベートな時間で、一番幸せな時間を過ごす事が出来ました✨
また、数年後に進化した姿を見せてもらえるのを、楽しみにしています
楽屋口から出たのが、軽く夜11時を過ぎていてびっくりでしたー
ツイッターの引用の仕方が分からなくて、変な貼り方して申し訳ないのですが、こんな凄い偶然があるんですね
私も翌日、中華街に行けばよかったー
5.人生の全てをさらけ出している本です。
因みに、まだ最後まで読めていないのですが、自伝の感想を少し書かせてください。
ペレストロイカ以前の、旧ソ連での子供時代から、親戚のイギリス貴族、ハリー・キーシン卿の力添えにより、イギリス国籍を得るまでに出会った人たちの事を中心に、自分の気持ちを正直にありのままに書いていて、キーシンの温かい人柄が良く分かり、買ってよかったです
アンナ・カントールに対して、こんな愛の告白みたいな事書いてもいいの❓と、読んでいる方が赤面してしまうところもありました
キーシンは、生まれつきの天才ではなく、人の何倍もの努力と環境によって、今のキーシンになった事
キーシンのお母様の、自分の事は一切顧みず、全生涯をキーシンに捧げた愛情溢れる子育て
アンナ・カントール先生の、キーシンの考えを認めて、決して自分の考えを押し付けず、生徒に寄り添い、忍耐強く見守るメソッドの素晴らしさ
そして、死が間近に迫り、一人では歩く事も出来なくなった巨匠カラヤンと、初めて出会えた日の衝撃的な出来事が間違いなく、この本の山場の一つだと感じました
どんな事が起きたのか、ここでバラしてしまうと、面白く無くなってしまうので書きませんが、カラヤンがキーシンの演奏と才能に対してとっさに取った行動が、臨終のカラヤンの心の叫びに感じてしまい、カラヤンの気持ちを考えると涙が止まりませんでした
カラヤンはもっと早く、キーシンと出会っていたかったのだと思いました
感想はこの辺りでおしまいにします
良かったら読んでみてください
キーシンのコンサートについては以上です
拙いブログをご覧いただきありがとうございました😊